Whitechapel : 輝かしいデスコアの未来が垣間見える意欲作『Kin』リリース!

Deathcore

 

テネシー州ノックスビルを拠点に活動するデスコアバンドWhitechapelが、通算8枚目のスタジオ・アルバム『Kin』をMetal Blade Recordsから2021年10月29日にリリースしました。このアルバムはギタリストであるZach Householderのホーム・スタジオで録音され、Whitechapelの数々の作品を手掛けてきたプロデューサーMark Lewisと共に制作されている。ミックスはスウェーデン在住のDavid Castilloが担当し、マスタリングはTen Jensenが行った。Markとの仕事についてWadeは、「非常に優れた音楽家で、ユニークなアイデアをWhitechapelにもたらしてくれる」と話す。ギター、ドラムのトーンについてもMarkのアイデアが大きく反映されており、楽曲のポテンシャルを最大限発揮する為のリズムやトーンについて調整を続け、2週間毎日お昼12時から8時まで、休みなく録音作業を行ったそうだ。2021年1月にはミックス作業が始まり、マスタリングは2021年3月に行われ、アルバムが完成した。

 

これまでとは違ったWhitechapelの一面を垣間見ることが出来る本作の聴きどころについて解説して行きたいと思います。

 

ポイントその① : デスコアからの脱却

 

アルバムリリースまでに公開されてきたいくつかのシングルを聴いて、これまでのWhitechapelとは違った印象を持ったファンは多いだろう。大胆にクリーン・ボーカルを導入し、「Orphan」ではメタル・バラードをプレイし大きな話題となった。個人的には、よく言う「セルアウト」とは違った新しいスタイルを作ったように感じる。彼らはデスコアの代表的バンドでありながら、近年はデスコアを進化させようというような気概は見せてこなかった。どちらかと言うと、Whitechapelの音楽をジャンルの枠を超えて追求しているように感じていた。安定したファンベースを持っているし、「Whitechapelであれば、どんな音楽も好きだ」と言う人は多いと思う。そういうメタル・リスナーをすでにWhitechapelは獲得していて、これまで7枚もアルバムをリリースしていれば、「新しいことをしてみたい」と言うバンドの考えはよくわかる。逆に「原点回帰でデスコアやろう」と言うのはまだまだ先に取っておいていい選択肢である。

 

 

 

ポイントその② : Alex Rüdingerの加入

 

本作から新たにドラマーAlex Rüdingerが加入している。コアなメタル・リスナーであれば彼の名前を一度は目にしたことがあるかもしれない。これまで Conquering Dystopia, Good Tiger, Ordinance, The Faceless, Threat Signal, Revocation, Monuments, Evan Brewer, Fleshwrought, The HAARP Machine, Haunted Shores, Cognizance, Intronaut, 7 Horns 7 Eyes, War of Ages, Light the Torchといったバンドでドラマーとしてバンドをサポートし続けてきた凄腕で、2019年からバンドのツアードラマーだったが、この度正式メンバーとして加入した。

 

 

自身のYouTubeチャンネルで、新曲のプレイスルー動画を公開しているのでぜひチェックしてほしい。重たくパンチのあるビートに、繊細かつダイナミックなシンバルワークを絶妙なバランス感覚で組み込んでいく。これからメインストリーム・メタルシーンで勝負していくWhitechapelにとってはぴったりのドラマーであるように思う。彼のプレイも楽しみながら、アルバムを聴くのも楽しいだろう。

 

 

ポイントその③ : デスコアの未来が垣間見える

 

ポイント①に「デスコアからの脱却」と書いたが、実はデスコアの未来の姿をこのアルバムから感じることが出来る。Whitechapelは完全にデスコアでなくなった訳ではなく、「A Bloodsoaked Symphony」や「To the Wolves」、「Lost Boy」、「The Ones That Make Us」はこれまでのヘヴィなWhitechapelサウンドが健在だ。Wadeはこのアルバムに無限の可能性を感じると話しており、『The Valley』で確立した”デスコアから出発し辿り着いたWhitechapelのメタル”から、より多くのファンに自身の音楽を届ける為に『Kin』に様々な挑戦を詰め込んだと考えられる。

 

 

アコースティック・ギターのパートを随所に導入したことでメロディアスさが大幅にアップ、クリーン・パートとヘヴィなスクリームのコントラストで楽曲を盛り上げていくスタイルを確立したことは、デスコアシーンからオーバーグラウンドへ進出する為の道筋として後続に「デスコアには未来がある」と言うことを示していくことになるだろう。

 

 

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