ラップメタル新時代

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楽しみにしていたHacktivistのニューアルバム『Hyperdialect』が予想を超える出来で、興奮したまま記事を書かなくてはとデスクに座り、「いや、どこから話をまとめればいいんだろう?」と悩み始めてしまった。もっと歴史を振り返りながらKORNとか、そこから話すべきだとは思うが、そういうのはいつかラップメタルの歴史が積み重ねられ、本として形に出せばいいかと無理やり納得させ、ひとまずは現行ラップメタルに焦点を当てて、自分の頭を整理しながらまとめてみたいと思う。いやー、それにしてもHacktivistは凄い作品を作り上げた。3月に出版した『Djentガイドブック』にもHacktivistについては書いているが、このアルバムを掲載出来なかったのは残念だ。

 

Hacktivist – PLANET ZERO – (Official Video)

 

さてこの記事の本題に入ろう。2021年にリリースされた作品を中心に、ラップとメタル、特にこの記事ではメタルコアやデスコアも含めて良かったものをピックアップしつつ、コメントをしてみたいと思う。

Notions – "TxxthTxker" (feat. BackWordz & UnityTX) Official Music Video | BVTV Music

NotionsがBackWordzとUnityTXをゲストに迎えたという事だけで、ラップメタルにアンテナ張ってるディガーはワクワクしたに違いない。BackWordzと言えば2010年代のラップメタルを考える上でかなり重要だし、UnityTXもPure Noise Recordsと契約したということもあり、シーンでの認知度は上がっていくのみ。後は2021年アメリカでバンド活動するにあたって、ひとつのバンド、またはプロジェクトに様々な人種がいるってのがバズを生み出すポイントになってると思う (狙ってないにしても)。 単純にニューメタルコアとしてNotionsはそこそこ評価されているし、その中でオリジナリティを出すためにこのスタイルをやったのは正解。

 

UNITYTX "WALK WITH ME"

上記のNotionsの楽曲でもコラボしたUnityTX。ちょうどHacktivistと同じタイミングでPure Noise Recordsから新作EP『Hellway』が出た。ラップメタルって、これまでラッパーがやってるメタルっぽさだったり、メタラーがやってるラップだったり、クロスオーバーしててもそのバランス感がどちらかに寄っていて中途半端になってしまってたところは否めない。だからどちらのシーンでも確固たる文化が形成されてこなかったような気がする。UnityTXは、しっかりビートダウン・ハードコア/メタルコアとしても成立していながら、ラップも本格的でまさに高次元融合といった感じ。

 

Paqrat – Wait (Official Music Video)

メタルとラップをどちらも高いレベルでクロスオーバーさせるのが、最新系という訳ではない。完全にどちらかに振り切ってみるのも、中途半端にならず逆に良かったりするというのを教えてくれたのが、Paqratの新曲「Wait」だ。RIFF CULTを毎日チェックしてくれているようなヘヴィミュージックのトレンド・ウォーチャーはこういう薄っぺらいメタルとか大嫌いなのかもしれないけど、実はこのくらいチープな感じがヒップホップとかメタルとは別の音楽シーンでは容易く受け入れられてしまったりする。サウンドプロダクションがどうたらこうたらとか言ってるのは、正直いって超少数派で、だいたい少数派のツッコミはメインストリームには響かない。だったらなんでRIFF CULTで彼が重要なのかと言うと、現行ロックシーンでMachine Gun Kellyが、音楽的にずば抜けて優れているとは言えないポップパンクでビルボードチャートでトップを取った事実があるから。Machine Gun Kellyを始め、多くのメロディックラッパー達が少年時代に影響を受けたロックをリバイバルさせていて、時代の生き証人とも言えるblink-182のドラマーTravis Barkerが懸け橋となってプロデュースにフューチャリングをしまくって、クラシックなポップパンクを現代のロックシーンにリバイバルさせている。リバイバル気味とかっていうレベルじゃなく、完全に流行らせてる。Kenny Hooplaみたいな黒人ラッパーからTikTokから飛び出してきたような10代後半のSuecoやJxdn、他にも誰でも知ってる俳優Will Smithの娘がやってるExperimental R&B、WILLOWをAvril Lavigne化させてる。これは完全に無視できないし、ムーヴメントも落ち着きだしていた現代ポップパンクに再び刺激を与えている。Paqratみたいに、ラップシーンで受け入れられやすいメタル、メタルコアをバックにラップしたトラックがバズったら、ヘヴィネスを追求しすぎている僕らはとりあえず黙ってこっちに注目が流れてくるのを待ったほうがいい。メインストリームで金になりそうな雰囲気をレーベルに察知させて、面白いコンテンツを金かけて作らせるくらいの雰囲気作りに乗っかったほうが得だと思う。

 

Paqratと同じ流れを持つMimi Barksは、ラップメタルというよりはTrap Metalというトラップのサブジャンルに属するアーティストだと思うが、なんとCentury Media Recordsと契約している。彼女が売れるかどうかにTrap Metalの運命が委ねられてる感じがする。これでぱっとしないセールスだったら、おそらくメジャーのメタルレーベルがTrap Metalに力を入れる流れは出てこない。

 

Mimi Barks – POISON [Prod. RVFF FVRGO] [Official Lyric Video]

 

 

 

PRAISE – GOSTRAIGHT 2020 – MV【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

国内に目を向けてみると、PRAISEの存在も無視出来ない。本人達はTOKYO MIXTUREというキャッチでやってるが、普通にラップメタル/メタルコアとしてクオリティは高い。日本語ラップという独特な文化があるわけだし、そこを多彩にメタルの中に盛り込む、あるいはヒップホップとメタルコアがシーン同士でクロスオーバーしたら、面白さは桁違いになっていくはず。7月に発売になるele-kingの最新号が日本のラップ/ヒップホップ大特集らしいので、気になるメタルヘッズは買って勉強してみたらいいかも。俺もします。

 

DVSR – Bloodlust ft. CJ McMahon (Offical Music Video)

DVSRとかずっと進化しながら頑張ってるバンドとかもいるし、意外と整理したらいろんな流れとかあるのかも。

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