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【年間ベスト】2020年のブルータルデスメタル傑作アルバム10選

Brutal Death Metal

『ブルータルデスメタルガイドブック』を出版したのが2016年の10月だっただろうか、そこからも日課としてブルータルデスメタルを追いかけ続けてなんと4年が経過した。RIFF CULTを立ち上げたのも本を出版したのがキッカケだったし、今もこうして発信を続けられているのは嬉しい。一時期はほぼRIFF CULTを動かしてなかった (RNR TOURSでのツアー活動に忙殺されていた)時期もあったが、コロナウイルスでツアーがストップしたことをキッカケにもう一度本腰を入れて動かしてみることにした。やっぱり新しい音楽を聴くのは面白いし、RNR TOURSが再開出来た時にもRIFF CULTを動かし続けられるように自分の中でしっかりルーティーンを作らなければいけないね。さて、前置きが長くなったが、今年も世界中からブルータルデスメタル・アルバムがリリースされ、新しいバンドも入れば意外な復活もありで面白かった。良い意味でも悪い意味でもスラム系がぐっと盛り上がりをみせ、デスコアやメタルコアにまで影響を与え始めているのは面白いなと思う。それに対して昔ながらもハイスピード・ブラスト系は地味な存在になったが、もともとブルデスってそういうのが面白いし好きだったから特に気持ち的に変わらずいろんなものを聴いた。ある程度新しいバンドもベテランもチェックしたつもりだが、もしかしたらチェックしきれてないものもあったかもしれない。EPも多く、リストに入れようとおもったがアルバムに絞ってランク付けしてみた。(Drippedとか入れたかったなあ) まだ聴いてない作品などあれば、ストリーミングでチェックしてみて欲しい。それでは、ランキングをご覧ください! (第10位〜第1位まで)


第10位 : Putrid Pile – Revel In Lunacy
アメリカ/ウィスコンシン州を拠点に活動するワンマン・ブルータルデスメタルプロジェクトPutrid Pileの新作は、前作『Paraphiliac Perversions』から4年振りとなった6枚目フルレングスで、Sevared Recordsからのリリース。Sevared Recordsも数量限定リリースが増え、他のブルータルデスメタル・レーベルに比べ勢力は落ちてきたもののまだまだ元気。Putrid PileはSevared Recordsからリリースを続けている数少ないアーティストで、地味に2020年がプロジェクトスタートから20周年であった。前作から大きくスタイルチェンジする事もなく、淡々と自身のブルータリティを表現し続けている点だけでも評価に値するし、オープニングトラックの「Death Waits for No One」では、唐突なテンポチェンジを繰り返しながらもバウンシーなグルーヴはキープ、リフワークもメロディアスで面白いしガテラルもハイセンス。「Bonedigger」みたいな打ち込み感丸出しのB級さも個人的には好きだったりする。


第9位 : Goratory – Sour Grapes
2009年に活動休止、2016年に復帰したマサチューセッツ/ボストンのブルデス・レジェンドGoratoryの新作は、前作『Rice on Suede』からなんと16年振りとなる4枚目フルレングスで、リリースはイタリアのEverlasting Spew Recordsから発売された。有名ミュージシャンのテクニカルすぎるアイデアのはけ口みたいなバンドで、Job For a CowboyやDespised Iconで活躍するギタリストAlanやDeeds of Flesh、Pillory、Cytolysisなどで大忙しのドラマーDarrenが在籍している。彼ら以外の2人はSexcrementというバンドのメンバーで腕前はもちろん凄まじい。特徴的なのは強烈なスラップベースで、テクニカルなブルータルフレーズに絡み付いていく。ヴィジュアルイメージからは想像もつかないテクニックがたまらない1枚。


第8位 : Post Mortal Possession – Catacombs Of Bedlam
ペンシルバニア州ピッツバーグを拠点に活動する5人組Post Mortal Possessionのセカンドアルバムは、Lord of the Sick Recordingsからのリリース。2018年リリースの前作『Perpetual Descent』から大きな路線変更はないが、ぐっとサウンドプロダクションが向上し、楽曲もソリッドな仕上がりになっている。全体的にもっさりとしたスラムっぽい雰囲気ではあるが、Jakeのボーカルワークが強烈でディープなガテラルでサウンドを血生臭いものにしてくれている。Jakeのボーカルに加え、Nickのドラムもよく、デスメタリック。地味な存在だが、若くしてこの手のサウンドをプレイ出来るのは凄い。


第7位 : Disavowed – Revocation Of The Fallen
オランダ/アムステルダムを拠点に、前身バンドNocturnal Silenceから数えて26年のキャリアを誇る大ベテランDisavowedの13年振りとなる3枚目フルレングス。オリジナルメンバーである元ドラマーRobbert (Pyaemia、Nocturnal Silenceでプレイ)の怪我を理由に2005年に脱退。以降はサポートメンバーを入れながらも活動は継続していたが、アルバム制作には至らなかった。長年のブランクを感じさせないパワフルなブルータリティは、アグレッシヴに転調しながらも粘着質なグルーヴィ・リフを携えて疾走し続ける。


第6位 : Afterbirth – Four Dimensional Flesh
1993年ニューヨークで結成されたブルータルデスメタルバンドAfterbirthのセカンドフルアルバムは、Unique Leader Recordsから前作『The Time Traveler’s Dilemma』から3年振りのリリース。95年の休止後、2016年にボーカリストWill Smithが加入するまで20年以上のブランクというのはなかなか珍しい。架空の古代文明をテーマにソングライティングを行うようになってからはアイデアが湧き上がってくるのか、セカンドアルバムも3年という短い期間で完成させており、そのサウンドもアンシエントなメロディワークをメイン・エレメンツに独自の世界観を生み出すことに成功している。アートワークも含め、Afterbirthらしさを持っているし、今後も継続的に制作活動を続けて欲しい。


第5位 : Vituperate – Dies Mali
ノースキャロライナ州ヴァージニアを拠点に活動するハイスピード・ブルータルデスメタルバンドVituperateのデビューアルバム。もともとデモ音源がアンダーグラウンドシーンで話題となり、New Standard Eliteと契約している。メンバーはそれぞれにプロジェクトを抱えており、Scatology Secretionなど今年アルバムを出したプロジェクトもある。メンバーらが抱えるプロジェクトの中でもVituperateは特にスピード感重視で、まさに工事現場のような轟音が鳴り響き、リフの輪郭も曖昧。いわばハーシュノイズのようなエナジーに溢れる1枚。


第4位 : Incinerate – Sacrilegivm
アメリカ/ミネソタを拠点に結成され、現在はアメリカ/カナダのメンバーが在籍するベテランIncinerateの新作は、前作『Eradicating Terrestrial Species』から5年振りとなる4枚目フルレングス。リリースは前作同様Comatose Musicが手掛けている。2018年にDeeds of FleshやSevered Saviorで活躍したギタリストJared Deaverが加入。JaredとTedのツインギター体制になってからは初の作品で、2020年12月現在では脱退しているがDisfiguring the GoddessやMalevolent Creation、Insidious Decrepancyでドラムを担当したPhil Cancillaが本作でその腕前を披露している。スラムとまではいかないが、ピュアなリフグルーヴを要に非常にシンプルでノリやすいブルータルデスメタルをプレイ。Internal Bleedingファンは気に入るとおもいます。


第3位 : Devangelic – Ersetu
イタリアを拠点に活動するブルータルデスメタルバンドDevangelicの新作は、前作『Phlegethon』から3年振りのリリースとなる3枚目フルレングス。Comatose MusicからWillowtip Recordsへと移籍してリリースされ、プロデューサーにはDecrepit BirthやFleshgod Apocalypseを手掛けたStefano Morabitoを起用。サウンドプロダクションもソリッドかつダイナミックな仕上がりとなっている。同郷のSeptycal Gorgeを彷彿とさせるダークなテクニカルフレーズも多く、誤解を恐れずに言えばDisgorge的な雰囲気があるようにも感じる。ここ数年、Devangelicは大/中規模フェスティバルへの出演やツアーなど、ヨーロッパを中心にファンベースを拡大しており、ブルータルデスメタルシーンにおける重要度は高くなっている。


第2位 : Arsebreed – Butoh
前作『Munching the Rotten』から15年振りとなるArsebreedの新作は、Brutal Mindからのリリース。ツイン・ボーカル体制を取り、2人共Disavowedのメンバーだ (RobbeとJoel)。この2人のボーカルワークはハイピッチ/ローピッチを使い分けるような従来のツイン・ボーカルスタイルではなく、共にローをベースとしたボーカルスタイルなのが面白い。緊張感のあるオールドスクールなブルータルデスメタルは、ウジムシのようにうねるチェーンソーリフとソリッドなベースライン、そしてデスメタリックなギターソロが残忍なグルーヴを生み出している。Disavowedと一緒で、特に何か目新しいことをしているわけではないが、クラシックなブルータルデスメタルとして素晴らしい作品。


第1位 : Molested Divinity – Unearthing The Void
トルコを拠点とするブルータルデスメタルバンドMolested Divinityのセカンドアルバム。前作『Desolated Realms Through Iniquity』から2年振りのリリースとなる本作は、アンダーグラウンド・ブルータルデスメタルの巣窟New Standard Eliteが発売元。レコーディングエンジニアリンク/マスタリングは同郷のOzan Yildirimが担当。彼はDrain of ImpurityやMolested Divinityのメンバーが在籍するRaven Woodsも手掛けており、バンドとも親交の厚い人物。前作とジャケットが酷似していて、最初再発かと思ったが、しっかり新作でした。New Standard Eliteらしさといえばそのスピードでしょうか。ブレイクダウン皆無のノンストップ・ブラストビートを叩き込むドラマーBerkの腕前は確か。特にスネアの鳴り、随所で拍をずらしながらブラスティング・グルーヴをうねり出す感じとかは、かなりマニアックなブルータル・ドラミングの手法。Emreのギターワークも残忍としか言いようもない無慈悲さに溢れていてたまらない。昨今はスラム勢の勢い、そして人気が凄まじくこうしたブラスティング・ブルータルデスメタルはすっかり地味な存在になってしまったが、彼らをはじめ、同郷のCenotaph辺りは変わらずスピード重視で安心。堂々の2020年ブルータルデスメタル・ナンバーワンアルバム。

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