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【年間ベスト】Anti-Flag – 20/20 Vision

Anti-Flag – 20/20 Vision

拠点 :ペンシルバニア州ピッツバーグ
レーベル : Spinefarm Records

https://antiflag.lnk.to/2020Vision

2017年にリリースした『American Fall』から3年振りのリリースとなった12枚目のフルレングス。レコーディングは2019年の7月から8月にかけて、Dog House StudiosとMDDN Studioで行われ、プロデューサーにはポストハードコアバンドFrom First To Lastのギタリスト/ボーカリストとして知られるMatt Goodが起用されている。

これまで通り反ファシズムを訴え、パンクシーンから人々の未来が明るくなるような歌詞世界を持っている。ひとりのアメリカ人としての視点から、ポリティカルなメッセージを投げかけ続ける彼らが本作のテーマにしたのはもちろん、トランプがアメリカ合衆国の大統領選挙に勝利してからの地獄についてだ。実際にトランプを名指しで批判する事はないが、このアルバムで歌われる人種の問題や環境問題のすべてが彼の存在に関連付けられている。実際にトランプのスピーチを引用しながら、「あなたはどちら側にいるのか」と問いかけるようなフレーズが多く散見される。アルバムタイトルトラック「20/20 Vision」のサビでは「Tell me witch side are you on, Carry on~」と続く。

日本のAnti-Flagリスナーにとって印象的な楽曲は「20/20 Vision」に加え、「Christian Nationalist」や「The Disease」などが挙げられる。彼らのメッセージに目が行きがちであるが、これらのメッセージを広く訴えるために彼らの音楽的なセンスの高さもしっかりと感じるべきだろう。例えばGreen Dayの『American Idiot』が若いアメリカ人を虜にし、社会現象を巻き起こしたのも、メッセージ性だけでなく音楽性も大いに重要であったはずだ。本作のAnti-Flagの楽曲は例えば大規模フェスティバルでもスケールの大きさを表現することができるようなポップでフックの効いた明るくキャッチーなパンクロックだ。アンダーグラウンドシーンで玄人向けのファストでダーティなパンクロックを鳴らすだけでは、そのメッセージも届くべきところに届かない。Anti-Flagが不変である事は、アンダーグラウンドでパンクが鳴り続ける事もサポートしていると思う。

アメリカでAnti-Flagが30年近く人気であり続けている事を考えると、パンクで社会を変えるということは非常に難しい事であるなと痛感してしまうのは事実だが、彼らの存在がなければもしかしたら世界はもっとひどいものになっていたかもしれない。LGBT差別の問題や環境問題、弱い立場にある人に寄り添う事ができる社会を作る為に、音楽が力にならなければいけない場面は多い。少なくてもこのアルバムによって知らなかった何かについて考える瞬間が生まれている事は確かだ。

1. “Hate Conquers All” 2:46
2. “It Went Off Like a Bomb” 2:23
3. “20/20 Vision” 2:26
4. “Christian Nationalist” 2:44
5. “Don’t Let the Bastards Get You Down” 2:49
6. “Unbreakable” 3:08
7. “The Disease” 2:55
8. “A Nation Sleeps” 2:17
9. “You Make Me Sick” 3:01
10. “Un-American” 3:10
11. “Resistance Frequencies” 2:55

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