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【コラム】2020年6月のテクニカルデスメタル必聴アルバム!

COLUMN

2020年6月にリリースされた作品や楽曲を振り返ってみた時に、やっぱり最初に紹介したくなるのがBehold The Arctopusだろう。もはやメタルかも怪しいレベルにまで到達してしまい、”Tom and Jerry Metal”と形容されてしまう難解なアルバム『HAPELEPTIC OVERTROVE』を完成させた。

Behold The Arctopus "Blessing In Disgust" – Official Track Premiere

アルバムをレビューする為に過去の作品の情報を調べながら、何度もこの作品を聴き込むうちにハマりだして、しばらく抜け出せなくなってしまった。音楽的にこれをジャンルにふり分けるとしたら、プログレッシヴメタルになるのだろうが、個人的には日本のRuins辺りを彷彿とさせる面白さがあるように感じる。彼らは80年代ハードコアパンクシーンを象徴する存在で、ドラマー吉田達也氏はパンクというよりは、プログレなミュージシャンで、数多くのプロジェクトで現在も活動している。有名なところだと、高円寺百景。名前だけなら聴いたことがあるかもしれない。

Ruins – Hyderomastgroningem (Full Album)

話を戻して、今月のテクニカルデスメタル。こちらもコテコテの難解サウンドを鳴らすPyrrhonの最新作『Abscess Time』も素晴らしかった。ここからは印象的な作品をレビューしていくので、気になったら是非チェックしてみてほしい。

Pyrrhon "Another Day In Paradise" – Official Track Premiere

 

Pyrrhon – Abscess Time
アメリカ:ニューヨーク / Willowtip Records

3年振りのリリースとなった4枚目フルレングス。キャリアを重ね、初期の痙攣のような暴虐性は整合感を帯び、デスメタルとして味わい深いものへと進化を遂げてきた。制作ラインナップは前作同様、2020年1月にニューヨークのThe Thousand Cavesでレコーディングが行なわれた。極端にテンポダウンし、緊張感を高めながら徐々にそれを解放していくといった手法で幕をあけるタイトルトラックを始め、穏やかなオーケストレーションを交えながら突き進む名作。

Goreworm – Disgraced Perversion [Official Lyric Video]

Goreworm – Prodigy of the Grotesque
カナダ / CDN Records

2017年オンタリオで結成。ボーカルJesse Suess、ギタリストのBrent MoerschfelderとJordan Estrela、ベーシストDerek Gibbs、Ending TyrannyのドラマーSean Bruceの5人体制で活動をスタート。2018年にデビューEP『The Path to Oblivion』を発表すると、CDN Recordsと契約を果たした。メランコリックなアルペジオやシンフォニックなオーケストレーションを携えて爆速ブラストビートで疾走し続けていく。Fleshgod Apocalypseのファンなら聴いておいて損はないだろう。

Pointed Mutation – Engineering the Unhuman (2020) (Full EP)

Pointed Mutation – Engineering The Unhuman
イラン / Independent

2019年イラン北部の都市サーリーにて結成。Ekwonで活躍したボーカリストSaleh、ギタリストAli Zakeri、ベーシストAli Darani、Chaos Descentでも活動するドラマーSinaの4人体制で活動をスタート。同年いくつかシングルのリリースを経て、自主制作で本作を完成させた。MeshuggahやDecapitatedの影響を色濃く感じさせるグルーヴィーなデスメタルサウンドは、スタンダードな楽曲展開ながら、Dying Fetusに似たフックの効いたプログレッシヴなリズムワークが印象的。ライブ活動などは行われていないようだ。

🔴 Ritual Mortis – Nailed Upon Liberty 🔴 [ Death Metal From Tbilisi, Georgia] (2020)

Ritual Mortis – Possessed by Machines
ジョージア / Independent

2016年ティビリシにて結成。ボーカリストAleqsandre Gigauri、ギタリストTazo Kikoria、ドラムなどの打ち込みを担当するBakuri Batsashiのトリオ編成で活動をスタート。本作の制作を始める直前にTazoが脱退、Bakuriが全ての楽曲制作を行い、レコーディングが進められた。良い意味でプログラミングらしさが香るサウンドは、Putrid PileやPerverted Dexterityを思い起こさせる。整合感のある複雑なリフワークは、Severed Saviorにも似たメロディアスな趣がある。

CRYPTIC SHIFT – The Arctic Chasm (Official Track)

Cryptic Shift – Visitations from Enceladus
イギリス / Blood Harvest

2012年リーズにて結成。Defacementのギター/ボーカルXander Bradley、ドラマーRyan Shepersonを中心に活動をスタート。2015年にBestial Invasionとのスプリット作品をリリース、翌年発表したEP『Beyond the Celestial Realms』をキッカケにBlood Harvestと契約。ベーシストJohn Riley、ギタリストJoss Farringtonを加え、本作のレコーディングが行なわれた。古き良きテクニカルデスメタルは、スラッシーなリフや火花を散らすように繰り広げられるギター、ベースソロが印象的。

SICKENING HORROR – "Outburst" [Official Lyric Video]

 

Sickening Horror – Chaos Revamped
ギリシャ / Pathologically Explicit Recordings

5年振りのリリースとなった4枚目フルレングス。2015年にアルバム『Overflow』をDeepsend Recordsから発表。本作は、ブルータルデスメタルバンドが数多く在籍するPathologically Explicit Recordingsと契約し、制作された。George以外のメンバーが総入れ替えとなり、Pearcing WavesのドラマーVasilis、ベーシストOrestisが加入し、トリオ体制でレコーディングが行われた。Georgeのプログレッシヴなギターフレーズを軸に、ミッドテンポ主体のテクニカルデスメタルをプレイ。

Interdisciplinary Sectarianism

Shadow In The Darkness – Erstwhile Befell
ギリシャ / Sliptrick Records

2009年ケラツィニにて結成。ドラマーTakis DerisiotisとギタリストTasos Derisiotisの兄弟を中心に活動をスタート。2014年にEP『Arcanum Experimentia Praetiosum』を発表した後、シングルリリースをコンスタントに続け、Mortal Tormentで活躍したボーカリストKonstantinos Xynosが加入し、本作のレコーディングが行なわれた。微細にエディットされたリフが蠢めくように躍動する迫力満点のサウンド。

SOLIPSISMO (Ecuador) – Those Who Pick Up, Those Who Are Picked Up (2020) (HQ)

Solipsismo – Confession of a Fellow Citizen
エクアドル / Independent

2009年中南部の都市クエンカにて結成。ボーカリストGabriel、ギタリストDaniel、ドラマーSuperiorが中心となり、幾度かメンバーチェンジを繰り返しながら、2017年にデビューアルバム『Sangre Antigua』をリリース。当初は正統派なメロディックデスメタルであったが、次第にテクニカルなスタイルへとシフト、本作は日本をテーマに制作され、ファストに駆け回るメロディアスなギターフレーズには、古き良き日本の古典音楽を思わせるものもある。楽曲「Seras (セラス)」や「Chtholly (クトリ)」はカタカナ表記もされている。

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