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UKが送る変態プロジェクト、Infant Annihilator解体新書

COLUMN

エクストリームミュージック、殊にデスメタルやブルータルデスメタル、テクニカルデスメタル、あるいはデスコアといったジャンルが好きな人なら一度はこの名前を耳にしたことがあるのではないだろうか。

完全スタジオプロジェクトにも関わらず、過激なMVや残酷描写、メンバーの恐ろしいスキルで瞬く間に話題となり、エクストリームリスナーが無視出来ない程に知名度を上げた彼ら。

今回はそんな謎多き変態バンドプロジェクト、Infant Annihilatorについて掘り下げて書いていく。

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Infant Annihilatorとは何者なのか?

(L→R)Eddie Pickard, Dickie Allen, Aaron Kitcher

Infant Annihilatorは、2012年、イギリス、ヨークシャーのハルという街で、Eddie Pickard(ギター)、Aaron Kitcher(ドラム)の2人で結成されたプロジェクト。2作目以降のボーカリストはDickie Allen。

バンド名の由来は、Aaronの前身バンドであったAs The Blessed Fallの曲名に由来している。

直訳すると幼児全滅というなんとも下品な名前のプロジェクトで、可能な限りインテンスな音楽を生み出したいという彼らの思惑が写し出されたバンド名だ。

インスト音源の制作

中心メンバーであるEddieAaronは、いわばベッドミュージックのような形で作曲活動を続け、文字通り過激な楽曲を作り続けた。

そしてその最中、アメリカのボーカリストDan Watsonとの出会いがあった。

Dan Watson( Enterprise Earth)

『The Palpable Leprosy of Pollution』のリリース

アメリカ在住のDan Watsonをボーカルとして迎え、制作されたインスト音源を元に歌詞を書き連ね、レコーディングを行なっていった。

その結果生み出されたのが上記に挙げたファーストアルバムだ。

バンド名に由来する通り、レイシズムやその他かなり民度の低い下劣な歌詞で埋め尽くされたこのアルバムは、

その残虐な内容に合わせてとんでもないMVと共にベールを脱いでいく。

Infant Annihilator – Decapitation Fornication [OFFICIAL MUSIC VIDEO] [HD]

まずはこのMVをご覧頂きたい。不快な描写が多数存在するため、音楽ネタとして寛容に見れる方のみの閲覧をオススメ。

簡単な内容としては、薄暗い森でエアメタルをしながらEddieAaronがホモる本当にしょうもない動画。

個人的には彼らの取り扱うテーマそのものが受けつけない部分があるのだが、そんなことについて書いていることは彼らも百も承知だし、実際に作曲プロセスにおいて自身が病んでいくこともあるそうだ。

DSBMがジャンルと認知されたのと同様に、エクストリームな音楽は何かと過激に、ネガティブに、陰鬱になりがちな要素を内包しており、

それが“THE EGG METAL”として噴出したのがこのInfant Annihilatorだ。

トピックの残虐性と圧倒的なスキル

上に挙げた通り、彼らは一般的に迎合され難い過激なテーマを、より過激な音楽で表現することによって、マニアなリスナーを中心に熱狂的なファンを作ることに成功した。

Infant Annihilator – Cuntcrusher – Guitar Play-through [OFFICIAL] [HD]

コミカルなプレイスルーやおふざけ動画も彼らのチャンネルではお馴染み。

Dan Watsonの脱退、Dickie Allenの加入

当然のことながら、Dan Watsonはアメリカ在住のボーカリストの為、このレコーディングを最後に脱退し、現在はEnterprise Earthというデスコアバンドで活躍している。

デビュー作の反響の裏腹、ボーカルを失った彼らは、スタジオプロジェクトらしくそのまま自然消滅の流れになっていたが、突如新ボーカリストDickie Allenの加入アナウンスが告知される。

Dickie Allen

それに伴い、EddieAaronはフロリダに渡米してニューアルバムの作成に着手することになる。

この過程の中で、Dickie Allenのキチガイ染みたボーカルは彼らの音楽に異常なまでにフィット、約3年の歳月を経て2ndアルバム『The Elysian Grandeval Galèriarch』を完成させる。

『The Elysian Grandeval Galèriarch』について

ファンの方ならご存知のトピックと思われるが、このタイトルの頭文字は『THE EGG』、すなわち金玉メタルである。

後にも先にも金玉とメタルを融合するなどという馬鹿げたことをやるバンドは彼らしかいないだろう。

意外にもアルバムタイトルはバンドコンセプトに沿ったものになっており、

古代の聖なるカルトリーダーといった意味合いを持ち合わせ、前作の流れを汲む作風であることを感じ取ることが出来る。

Dickie Allenはこのレコーディングに際して、様々なボーカルスキルを新たに習得しており、よりブルータル極まりない下劣ボーカルを遺憾なく発揮。

超絶ドラミングとテクニカルなギターフレーズ、病的な歌詞と咆哮は更にエクストリームリスナーに支持される結果となり、公開されたMVもとんでもない再生回数を誇っている。

Infant Annihilator – Blasphemian [OFFICIAL MUSIC VIDEO]

このアルバムに収録された楽曲の和訳を試みたものの、あまりの過激さと下劣さに圧倒されて断念、気になる方は調べてみても良いと思うが、決して勧められたものではない。

ただし各楽器隊のスキルの高さやセンス、Dickieの野獣のようなボーカルには確かな存在感があることは間違いないだろう。

そして最新作『The Battle of Yaldabaoth』へ

昨年リリースされた『The Battle of Yaldabaoth』は前作と同じラインナップで作成。

世界的な知名度を獲得していた彼らは今回も自主制作。

流通に至るまで全て自身で行っているDIYスタンスだ。

ニューシングル「Three Bastards」とともに新作のプレオーダーが開始、ヴァイナルはプレオーダーの段階で軒並みソールドアウト、筆者も滑り込みでCDとヴァイナルの限定カラーをオーダーした。

前作と同じラインナップということに歓喜したリスナーも多いことだろう。それほどに新ボーカルDickie Allenは下劣な声質をいくつも擁しており、まさにInfant Annihilatorで歌うために生まれてきたかのようなボーカルだ。

先行公開された「Three Bastards」は下記。

Infant Annihilator – Three Bastards [OFFICIAL MUSIC VIDEO]

今までのMVは中心人物EddieAaronが中心のお下劣動画だったが、今回はDickieも参戦。浜辺をクソみたいな格好で練り歩くこれまた意味不明すぎるMVだ。

アルバム全体としては、基本的には前作を踏襲した下劣で変態的な歌詞と圧倒的なテクニックを見せつけるInfant Annihilatorらしい作品だが、前作にも増してEddieはピロピロメタルに接近した音作りをしているため、Rings of Saturnなどを彷彿とさせるエイリアンじみたテクニックを披露している。

お前、つこてるやろ?問題

さて、スタジオプロジェクトでここまでのハイスキルを提示されると疑いたくなるのが打ち込み問題。

ドラムは人間の叩けるレベルを遥かに超越しているかに思えるが、時折彼らはプレイスルー動画を投稿する。

Infant Annihilator – Cuntcrusher – Drum Play-through [OFFICIAL] [HD]

これを見る限り、再現性はあるとの見方も出来るが、果たしてアルバムに収録された全楽曲を彼らがモノにしているかどうかは謎のままだ。

しかし、バンドに関わらず昨今の音楽プロジェクトは“口パク問題”だったりこの手の問題は浮上する。

例えば最近のリリースで言うと、カナダのテクニカルデスメタルバンドBeneath the Massacreのアルバムはドラムのあまりに機械的な叩きっぷりに思わず打ち込みを疑った程だ。

調べた結果、同作品を担当していたのはBABYMETALのアメリカツアーで神バンドとしてドラムを担当していたり、デスコアバンドShadow of Intentなど各所で引っ張りだこのAnthony Baroneという人物。

時代の変化とともに、バンドの形態もよりグローバルになっているのかもしれない。

各メンバーの別プロジェクトについて

Infant Annihilatorがスタジオプロジェクトであることは先程説明したが、各メンバーはそれ以外にもバンド活動を行なっている。

Aaron KitcherとEddieは、Black Tongueというデスコアバンド(こちらもドゥームコアを自称する恐ろしいプロジェクト)、DickieはScumfuckや様々なバンドとのフィーチャーに引っ張りだこの存在だ。

BLACK TONGUE – Second Death [OFFICIAL]
SCUMFUCK – OFFICIAL EP STREAM

Infant Annihilatorとしてのライブは行わないのが基本方針だそうだが、彼らのキチガイじみた音像を一度は生で拝んでみたいものだ。

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