01. Embark
02. Saudade
03. Eternia
04. Undertow
05. Terra
06. Jamais Vu
07. Cloak and Dagger
08. Voyager
09. Zenith
10. Vertigo
アラバマ出身プログレッシブメタルコア〜ポストハードコアバンドのデビューアルバム。
プログレッシブメタルコア好きの間でじわじわと話題を集めていたバンドの待望のリリースとなりました。
Erra直系の美麗ハイトーンとスクリーム、浮遊感のあるアレンジやDjent的なリズムワークを駆使したオサレサウンドが持ち味。
トレモロフレーズに折り重なるアトモスフェリックなイントロ「Embark」から、一気にスピードを加速させるリードトラック「Saudade」は彼らの魅力を詰め込んだ素晴らしい完成度の高さを誇ります。
続く「Eternia」も先行シングルとして公開された曲で、ハイトーンボイスと幻想的なアレンジ、対比する激情的なパートのバランスが非常に良いです。単にハイトーンというだけでなく、メロディーそのものがとにかく美しい。
初期ErraとInvent Animateをブレンドしたかのようなそのサウンドは、プログレッシブメタルコアリスナーだけでなく、ポストハードコア好きにも聴いてほしいです。
再録となった「Undertow」は格段に音質を向上させ、より透明感のある音質へと進化。スペーシーなアレンジが心地よく鳴り響きます。次曲「Terra」でも同様の流れを組んでいて、アルバムの構成も良く練られていると思います。
宇宙的な幻想世界を描いているという点では、こちらも再録となった「Cloak and Dagger」も外せません。
ここまで全く捨て曲が無く、どれをシングルカットしても良さそうな出来栄え。
8曲目でようやくタイトルトラック「Voyager」が登場。
うねるベースラインからドラマチックに展開し、Djent特有のつんのめるようなリズムとリバーブを効かせたサウンドが押し寄せます。
アルバムラスト2曲「Zenith」から「Vertigo」への流れも秀逸で、アンセミックな歌メロとテクニカルなフレーズが交差していくお手本のような曲から再びアトモスフェリックな空間美を追求したサウンドへと雪崩れ込んでいく様は見事。
上述したように、初期Erraの美麗ハイトーンとInvent Animateの幻想的な世界観をブレンドしたような作品に仕上がっており、自主リリースとなったことが不思議なくらい素晴らしい作品でした。
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