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【REVIEW】Code Orange / Underneath (2020)

HARDCORE

2020年3月13日、ヘヴィ・ミュージックの歴史を変える作品になるであろうアルバムがリリースされた。

ペンシルバニア州ピッツバーグを拠点に活動するCode Orange (コード・オレンジ)のニューアルバム『Underneath (アンダーニース)』は、前作『Forever』からおよそ3年振り、3曲入りのシングル『The Hurt Will Go On』からは2年振りに発表された。リリースはメタル最大手Roadrunner Recordsで、日本盤もリリースされる。

本作のプロデューサーにはNick Raskulineczと、Co-ProducerにWill Yip (過去にTitle Fight, Circa Survive, The Fray, Balance and Composure, Blacklisted, The Wonder Yearsらを担当)を迎え、エンジニアにはNathan YarboroughとVince Rattiを起用し、マスタリングはVlado Mellerが行った。もちろんCode Orangeのメンバーも各パートにおいてプロデュースを担当している。

アルバムのイントロ「(deeperthanbefore)」は、彼らのミュージックビデオ「Swallowing the Rabbit Whole」の導入部分にもなっており、張り詰めた空気に静かに響く”Let’s take a good look at you”というフレーズが印象的だ。このフレーズはカナダ出身のシンガーソングライターNicole Dollangangerによるもので、「Cold.Metal.Place」でも彼女の声が挿入されている。

Code Orange – Swallowing The Rabbit Whole [OFFICIAL VIDEO]

オープニングトラック「Swallowing the Rabbit Whole」は、Code Orangeが打ち出す新しいメタル/ハードコアの形を存分に味わうことができ、プログラミングパートのプロデュースからミックスまでを手がけるEric Balderoseの才能溢れるアイデアが凝縮されている。このプログラミング作業においては、アディショナル・プログラマーとしてクレジットされているChris Vrennaの存在も大きい。彼は1989年から1997年までNine Inch Nailsのドラマーとして活躍、以降はインダストリアルプロジェクトで活動しながら、Marilyn Mansonのツアーメンバーとしてもその才能を発揮してきた人物だ。次曲「In Fear」でも、メタル/ハードコアにおけるグルーヴをベースにした中で次々に展開されるプログラミングパートが衝撃的な印象を脳裏に焼き付けていく。

日本のCode Orangeファンとして「You And You Alone」には鮮烈なインパクトを受けるだろう。この楽曲タイトルやリリックにも関連するものとして導入される「ただひとり…」というフレーズは、その言葉の持つリズムも含め、Code Orangeの空気感とマッチしている。

You and You Alone

「Who I Am」は、本作のリリース直前に発表された楽曲「Sulfur Surrounding」にも通ずるメロディアスな魅力に溢れている。紅一点ギタリストReba Meyersは、Code Orange Kids時代にAdventuresというインディロックバンド在籍しており (Jamiも在籍)、その頃彼女に感じた唯一無二の鬱屈感が、現在のCode Orangeの世界観をより”感情的な無感情” なものにしている。これらの楽曲が好きなら「Autumn and Carbine」も必聴だ。

Code Orange – Sulfur Surrounding

「Erasure Scan」は本作の中で最もキャッチーでパワフルな楽曲。打ち込まれた銃声の音で幕を開けると、無機質なインダストリアル・プログラミングを携えて疾走、急転直下のブレイクダウンはまるでシステムエラーを起こしたロボットが暴動を繰り広げるかのよう。

続く「Last Ones Left」はグルーヴメタル的なフックが効いており、Slipknotの『Iowa』を聴いた時の衝撃がフラッシュバックする。思い返せばEP『The Hurt Will Go On』に収録されている「The Hunt」で、SlipknotのボーカルCorey Taylorがフィーチャーしていた。ハードコアがベースにありながらも現代的なメタルコアやデスコア、グルーヴメタルの影響も随所に感じるのが本作の面白いところのひとつでもある。「Back Inside the Glass」も細かく分断されたひとつひとつのパートに異なるプログラミング・アレンジが施されており、そこにはインダストリアルはもちろん、ブレイクビーツドラムンベース、さらにはハーシュノイズ的な要素がバランス良く散りばめられている。

Last Ones Left

アルバムの最後を飾るのはミュージックビデオにもなっており、アルバムタイトルトラック「Undernearth」。彼らのルーツでもあるハードコアやエモといった要素は現在のCode Orangeのベースとして変わらずあり、聴き方によっては新しいメタルとも言えるし、新しいハードコアとも言えるだろう。ハードコアバンドとしてのCode Orangeとしてアップデートしてきたもの以上に、「Undernearth」は幅広くヘヴィミュージックリスナーにリーチする魅力に溢れており、彼らが世界中のスタジアムで数万人のリスナーを前に演奏する姿が想像出来る。そういった意味でもこの楽曲が本作のタイトルトラックであり、ラストに収録されているという事は重要だ。

Code Orange – Underneath [OFFICIAL VIDEO]

メタルやハードコアに表現できるヘヴィネスに限界はない。Code Orangeは本作でそれを明確にし、2020年代の代表作を世に放った。

-Waki

アンダーニース

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