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【REVIEW】Between The Buried And Me / Automata Ⅰ Ⅱ (2018)

METALCORE

ノースカロライナ出身プログレッシブメタルコアバンドの2018年作。

本作はIとⅡの2部構成になっており、それぞれ独立してリリースされています。

とは言ってもこのバンドのことを知っている人なら分かると思いますが、非常に長尺な曲が多いのでボリュームは充分あります。

2つ合わせて69分、CDに収録出来るのが最大75分と考えると、製作の過程で既に2枚に分ける構想があったのかもしれませんね。

あと1,2曲増えていたら完全にアウトでした。

実際TOOLの最新作はフィジカル盤だと収録し切れず、削ってリリースすることになっています。

ストリーミング時代なのでそんなこと考える必要はなかったかもしれませんが、作品トータルの仕上がりを重視する彼らならありそうなことです。

大手レーベルからのリリースなので、大人の事情で分けてるなんてことも囁かれていますが、個人的には本当にどっちでも良いです。

元々出し惜しみするようなバンドではないことは、過去作を聴けば分かると思います。

実はこのバンドを聴くのは本当に久々でした。

仕事が忙しく、前作も聴き込む余裕が無かったというのが正直な所。

個人的に印象に残っているのは前作が一層プログレッシブメタル寄りの作風になっていたことですね。

ボーカル兼キーボードのTomはクリーンボイスの割合を増やし、デス系の要素はいくらか減退しつつも、その分色彩豊かな展開と構築美を追求したような美しさがありました。

ノースカロライナから生まれたこのバンドは、3rd『Alaska』から独自のプログレッシブメタル路線を一層推し進め、カオティックなデスメタルやメタルコアといった要素をルーツにしつつも、実に様々なジャンルからの影響を消化し、圧倒的なスキルと構築力で作を重ねる毎にキャリアを塗り替え続けた恐ろしい方々。

特に4thアルバム『Colors』は恐ろしいまでの完成度と独自性で、彼らの爆発的なヒットに繋がった歴史に残る名盤です。

本作『Automata I Ⅱ』に話を戻しましょう。

前作の流れを考えると、一層プログレ路線を突き進むのかと思っていたのですが、意外にもデスメタルやハードコアの成分が多分に含まれていることにまず驚かされました。

BETWEEN THE BURIED AND ME – Condemned To The Gallows (Official Music Video)

序盤こそ流麗なアルペジオからスタートするものの、ドリーミーなシンセを交えて徐々にスケールを上げていく「Condemned to the Gallows」を聴いてやはり彼らは凄いなと。

ブヨブヨとした浮遊感のあるシンセ音から一気に畳み掛けるように爆走をかまし、ヘヴィネスとドリーミーな空気を違和感なく融合させた本曲から一気にやられました。

難解に感じさせない工夫が凝らしてあるのも彼らならではの魅力。

BETWEEN THE BURIED AND ME – Yellow Eyes

3曲目「Yellow Eyes」でのテクニカルな轟音も素晴らしく、やはり全体的に前作より攻撃力が増しています。

これは長いことこのバンドを聴いている人なら思わずニヤついてしまうんじゃないでしょうか。

BETWEEN THE BURIED AND ME – Blot

そして第1章を締めくくる「Blot」は、オリエンタルなアレンジから突如カオティックに暴れ回った挙句、美麗パートに繋げる実に彼ららしいナンバー。

初期のファンも後期のファンも今作の持つ雰囲気は納得がいくバランスで緻密に作り込まれていると思います。

“機械人形”がテーマということもあって、シンセの装飾もかなり凝っています。以前は宇宙を再現したりと、そもそも考えることが突拍子も無いんですが、それを音楽体験を通して完璧に伝え切るスキルとセンスがあることを改めて痛感。

この続きが「Automata Ⅱ」なのでそのまま聴いていきましょう。

BETWEEN THE BURIED AND ME – The Proverbial Bellow

7曲目にあたる「The Proverbial Below」は打って変わってプログレ路線で突き進む曲。

随所に雪崩れ込むようなスクリームがありますが、ギターがメロディーを弾きまくっているので何故か爽やかに聴こえてしまう。

これが『Colors』にあったような、カラフルでキャッチーだけど重たいという矛盾したバランスを上手く組み上げてしまう彼らのセンスが滲み出た曲で、新旧のファンも納得の出来栄えかと。

ただし前編の「Automata I」とは明らかに異なっており、序盤の冷たくダークな質感から一気に色彩豊かに展開していく第2章の始まりを告げる曲。

BETWEEN THE BURIED AND ME – Voice of Trespass

2分程の繋ぎを挟んで「Voice of Trepass」へ。

スウィングジャズのようなコミカルなアンサンブルを彼らなりのサウンドに落とし込んだ曲。

中盤から一気にプログレッシブデスに雪崩れ込んでいくのは聴いていて本当に鳥肌が立ちます。

BETWEEN THE BURIED AND ME – The Grid

そしてラストを飾る「The Grid」は前作に似た雰囲気のプログレ路線の強い曲で、浮遊感の強いシンセが色彩豊かに色を添え、前半の無機質さとは違う恍惚とさせられる世界観を象徴しています。

総じて久々のThe Between The Buried And Meは素晴らしく圧倒的な存在であることを痛感しました。

濃密すぎる情報量に圧倒されるとは思いますが、是非聴いて欲しいバンドの一つです。

Kento Maruyama

Track List

Automata Ⅰ

01. Condemned to the Gallows
02. House Organ
03. Yellow Eyes
04. Millions
05. Gold Distance
06. Blot

Automata Ⅱ

07. The Proverbial Bellow
08. Glide
09. Voice Of Trespass
10. The Grid

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