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【REVIEW】Dance Gavin Dance / Artificial Selection (2018)

POST HARDCORE

カリフォルニアはサクラメント出身ポストハードコアバンド、通算7枚目のフルアルバム。

2005年に結成、既に15年のキャリアを持つベテランバンド。

テクニカルな演奏を持ち味にしたギタリストWill Swanを中心メンバーに据え、作品毎に若干毛色を変えているけど基本的にはデビュー時から一貫したコンセプトを持っているのがこのバンドはとにかく強い。

クリーントーンで歪みの少ないギターながら、手数は非常に多く、一癖も二癖もある展開はこのバンドならではのオリジナリティーに溢れている。

とはいえクリーンボーカルという点では非常に流動的で、ポストハードコア界では何かと世間を騒がしてしまうJonny Craig、その後任にはKurt Travis、そして現在は元Tides of ManのフロントマンだったTilian Pearsonの加入によってようやく体制が整った感じ。

初代ボーカルJonny Craig(Kurt脱退後の『Downtown Battle Mountain Ⅱ』も担当)

2代目ボーカルKurt Travis(S.T, Happinessを担当)

Tilian Pearson(元Tides of Man)

実はこのバンドの評価を書くのは個人的に凄い難しい。というのも、バンドサウンドは大きな変化がなくとも、クリーンボーカルが変わることで作品全体の持つ雰囲気にも変化が出るからだ。

特にこのバンドに関わった上記3名は全てが独自の魅力を持っており、甲乙つけ難いというのが本音。

ただこの作品含め、過去4作をTillianが安定的に取り組んでくれたことは、バンドの魅力を押し上げる大きな要因になったのは間違いないだろう。

Dance Gavin Dance – Son Of Robot (Official Music Video)

本作リードトラック「Son of Robot」は、お決まりの儚いフレーズから一気にJon Messの畳み掛けるスクリームでスタート。

Tillianのメロディーは一層メジャー感が増しており、激情的なスクリームとの対比はこのバンドならではのバランス感覚。

Dance Gavin Dance – Midnight Crusade (Official Music Video)

続く「Midnight Crusade」は文句無しの艶やかなメロディーと疾走感が甘酸っぱいキラーチューン。

ちなみにJon Messは激情系のスクリームのみの非常に潔いスタイルだけど、ライヴにおいての彼の安定感はとにかくすごい。

▼同曲のライブ映像▼

Dance Gavin Dance – Midnight Crusade (Live) 2018

両者ともに音源がそのままライヴで出てくるタイプで、この安定したパフォーマンスも後期Dance Gavin Danceが大きく躍進した要因かなと。

Dance Gavin Dance – Suspended In This Disaster

続く「Suspended In This Disaster」は実にDance Gavin Danceらしいグルーヴ感とプログレッシブなサウンドが光るこちらもアルバムの中でお気に入りの曲。

Dance Gavin Dance – Care (Official Music Video)

4曲目「Care」はチルいアンサンブルとTillianの美麗クリーンにスポットを当てた曲ながら、後半で一気に展開を変える面白い曲。

こういう癖のある展開もDance Gavin Danceならではの魅力。

Dance Gavin Dance – Count Bassy (Official Music Video)

5曲目「Count Bassy」はファンキーなナンバーで、彼らの3rdアルバム『Happines』を彷彿とさせられる。

ソウルテイストをポストハードコアに用いるバンドが増えているけど、Dance Gavin Danceはオリジネイターと呼んでも違和感が無いかも。

Dance Gavin Dance – The Rattler

7曲目「The Rattler」はJon Messの咆哮とカオティックな音像が渦巻くナンバー。

JonのサイドプロジェクトであるSecret Bandに通ずる部分が多く、Tilianの美麗クリーンを差し込むことでかろうじてDance Gavin Danceとして成立しているような曲。

Dance Gavin Dance – Story Of My Bros

10曲目「Story of My Bros」はパンキッシュな疾走感と爽やかなメロディーを聴かせるナンバー。アルバム後半になるにつれてどんどん自由な楽曲が増えていって聞いていて飽きない。

Dance Gavin Dance – Bloodsucker

13曲目「Blood Sucker」は本作の中でもJonのブチ切れスクリームが1番映えていると感じる曲で、楽器隊もそれに合わせて相当テクニカルなマスコアソングに仕上がっています。

Tillianが後半にかけてドラマチックに歌い上げていくパートが美しい。

Dance Gavin Dance – Evaporate

ラストは5分弱とDance Gavin Danceの中では長めの「Evaporate」でフィニッシュ。

本作を象徴するようにJonとTilianの掛け合いにスポットを当てながらも、曲構成も緻密に作り込まれているのがよく分かる曲。

EidolaのAndrewがフィーチャーをしつつ、バックで弾きまくるWill Swanの姿が容易に想像出来る最高のナンバーでラストを飾ってくれた。

特に終盤、Tilianがラストへ向けて感情を昂らせながら歌い上げていくパートがエモすぎる。

ここに来て脂が乗りまくったボリュームたっぷりのアルバムをリリースしてくれたDance Gavin Dance。

改めてポストハードコアシーンの中で重要な存在であることを痛感させられた。

アートワークはお馴染みMatias Adolfssonが担当し、彼の描く緻密なブックレットもDGDの世界観を作り上げる上で非常に重要なファクターになっている。

フィジカルで欲しいと思ってしまうのはこの美しさによるところが大きい。

彼の作品はグローバルに購入出来るので、気になる方は下記のサイトを覗いてみるべし。

https://mattiasadolfsson.com

01. Son Of Robot
02. Midnight Crusade
03. Suspended In This Disaster
04. Care
05. Count Bassy
06. Flash
07. The Rattler
08. Shelf Life (Feat. Kurt Travis)
09. Slouch
10. Story Of My Bros
11. Hair Song
12. Gospel Burnout
13. Bloodsucker
14. Evaporate

Kento Maruyama

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